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平泳ぎ本店 第7回公演 『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』

平泳ぎ本店 第7回公演 
『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』
2022年 6月23日(木)ー26日(日)
シアター風姿花伝 (目白)

「小劇場から見える空は、今日も青く澄んでいるか?」

第7回公演フライヤー表面

●公演日程 2022年6月23日(木)―26日(日)

23日(木) 19:30
24日(金) 14:00/19:30
25日(土) 14:00/19:00
26日(日) 14:00
※受付開始は開演の45分前、開場は30分前を予定
※お席へのご案内は当日受付順となります。

●上演時間
約90分(予定)

●会場 シアター風姿花伝
〒161-0032 東京都新宿区中落合2-1-10
http://www.fuusikaden.com/contact.html

●作・演出
松本一歩

●出演
小川哲也 河野竜平 鈴木大倫 丸山雄也 (以上 平泳ぎ本店)
井上夕貴 小川敦子(堂々としたブスはほぼ美人) 平野光代 森彩華 

●入場料 全席自由・税込
カルテットオンライン(当日精算のみ 前売・当日券同料金) 
一般  2500円
U-25 2000円(25歳以下 要身分証)
高校生以下 1000円(当日精算 要学生証)

こころざしチケット 5000円 
こころざしチケットは、入場料との差額で平泳ぎ本店の活動を支援することができるチケットです。

●取扱い 
【カルテットオンライン】 
https://www.quartet-online.net/ticket/hiraoyogihonten7th
※予約受付締め切り→各公演前日23:59まで

●スタッフ
舞台監督=水澤桃花(箱馬研究所)
オブザーバー=藤代修平(SPAC 静岡県舞台芸術センター)
照明=佐藤佑磨(LEPUS)
音響=深澤大青(しあわせ学級崩壊)
音響操作=大嵜逸生
小道具=辻本直樹(Nichecraft)
宣伝美術=藤尾勘太郎
記録写真撮影=北原美喜男
記録映像=岡本俊
当日運営=加藤じゅんこ(ジエン社)
制作助手=崎田ゆかり(ゲッコーパレード)
プロンプター=いまい彩乃
パシフィックサウリー=田中・∞(エイティ)・博
企画制作・主催=平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co.

●あらすじ
稽古場でのハラスメントが元で息絶えた俳優が異空間に転生し、ニポン演劇盛衰史の授業を受ける。先生はミスラだが、成績のよくない生徒は呪(まじな)いをかけられてしまう。
限定される演技体。曲解される演劇史。俳優へと宛てられた手紙。
して、俳優よ。
小劇場から見える空は今日も青く澄んでいるか?
俳優の魂のゆくえは。

●松本一歩コメント
つねづね稽古場でつくれるのは作品の半分までで、もう半分は劇場で、観てくれる観客の方が満たしてくれるのだと考えています。そう考えた時、劇場で観客と作品とを繋いでくれるのは他ならぬ俳優であり、その俳優のポテンシャルを引き出し、いかに生命力に満ち溢れモリモリと活きのいいパフォーマンスを引き出すことができるか、ということに劇作/演出としての私の興味はあります。(私自身もまた、俳優でもあります。)
演劇について、どこまでも演劇と演劇にまつわるさまざまなことについて現在進行形で語るこの作品が普遍性を獲得しうるか?というのが、第2回新潟劇王から持ち帰ってきたひとつの課題となりました。
この課題にもまた、演出でも劇作でもなく俳優の力をもって、東京は目白、シアター風姿花伝にて正々堂々と答えたいと考えています。
ご期待ください。

●松本一歩 Kazuho Matsumoto
1989年生まれ 平泳ぎ本店主宰・俳優・演出。
シンプルなものと過剰なもの、素朴なものと込み入ったもの、わかるものとわからないもの、様式的な美しさと生身の俳優の魅力と、相反する二つのものを舞台の上に両立させる上演を志す。
「言葉でもって言葉を超える瞬間」や「言葉の芸術なのに『言葉に出来ない』瞬間」を追求する。

●平泳ぎ本店 Hiraoyogi Co.
2015年より活動開始。メンバー全員が俳優であり、俳優主体の創作を行っている。
俳優自身の発想を基に、ディバイジング(集団創作)により様々な演劇手法を駆使しつつ、凝ったシーンを造形していく創作方法に特徴がある。
「真剣に演劇について悩んで、真剣に演劇を愛する」(クリス・グレゴリー氏)。
2018年、第3回かもめ短編演劇祭にて戯曲選抜チームとしてかもめ賞(最高賞)を含む三部門を受賞。
コロナ禍による中断を経て2022年5月、第2回新潟劇王(りゅーとぴあ)にて『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』を上演、15団体中2位。
神奈川県庁での特別公演や下北沢の路上演劇祭への参加など、劇場外でのパフォーマンスも得意とする。
①オリジナル作品での海外公演
②未だ誰も想像していない場所での野外劇の遂行
③創作拠点となる劇場の建設
を次の10年の活動目標とする。

〔Blog〕 http://hiraoyogihonten.com
〔Twitter〕 @hiraoyogihonten
TEL:090-7860-5600
Mail:hiraoyogihonten@gmail.com

●「夢は一人で見るものでなく、」
平泳ぎ本店では一緒になって演劇について考え、わくわくしてくれる人をいつも心から求めています。
「演劇が好き」という気持ちを大切に、望みうるかぎり真摯に丁寧な作品づくりをこころがけています。
俳優、制作、演出、ドラマトゥルクなど、各セクションで力になってくれる方が現れると、今後もより盤石の構えで作品をつくり続けていくことができます。
もし何かピンとくる方がいらっしゃれば、いつでもご連絡をお待ちしています。

●なんで「平泳ぎ」「本店」?
・競泳4種目の中で最もスピードが遅い(資本主義経済にもとる非効率的な営み≒演劇)
・水の抵抗を減らし、無駄を削ぎ落とすように身体をコントロールすることでより速く泳ぐことを目指す「技術」の泳法である
・技術を極めれば形態的に不利な日本人でも北島康介選手の様に世界で戦える
・その気になれば航続距離がきわめて長い(演劇界を長く遠くまで泳ぎたい)
・紀伊國屋書店新宿「本店」並みの「大体揃う」ラインナップを目指す(俳優、技芸、扱う作品等)

第7回公演フライヤー裏面

冬眠報告、2021年のごあいさつ。雑誌に掲載されました。俳優特集「私の原点」

平素より大変お世話になっております。
平泳ぎ本店 主宰の松本一歩です。

ご挨拶が遅くなりまして申し訳ございません。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、1月9日発売の雑誌・演劇ぶっく
2021年2月号
俳優特集 「私の原点」にて、弊本店の3名(鈴木大倫・松本一歩・丸山雄也)についてインタビュー記事を掲載して頂きました。

そもそも別の道を歩んでいた人たちがなんで演劇を志すようになったのか、その原点について語るインタビューとなっています。

決して予断を許さない大変な時期ではありますが、書店や注文にてお手にとってご覧いただけましたら幸いです。

林遣都さんの表紙が目印です。(林遣都さんは平泳ぎ本店のメンツとほぼ同年代ですが、雲の上の方ですね。)

またこのインタビューは平泳ぎ本店にとっての”ゆりかご”こと常盤ライブラリで行われました。
ほとんど全ての作品の打ち合わせをしてきたこの場所で、今回のインタビューを受けられたことをとても嬉しく思います。重ねて御礼申し上げます。

えんぶ(旧・演劇ぶっく)という雑誌は私の学生の頃から大好きな俳優さんや団体が掲載されることも多く、まさに憧れの雑誌でありました。

昨年の8月にストレンジシード静岡というイベントへ向けて製作、期間限定で公開した『夜を抜けて』という映像作品がきっかけとなって、今回のインタビューへと繋がりました。

しかしながら昨今の情勢はとにもかくにも厳しく、とても演劇がどうこうと言っていられるような余裕も、ちかごろではなくなって参りました。

日々仕事をするにつけ、すぐ隣の人にも余裕がなくなってきているのを肌で感じます。

平泳ぎ本店としては、こうした状況下で無理を押して公演を行うということは考えておりません。

公演はもちろん、その過程での稽古やそのための移動など、多くのリスクを取ることで本人はもちろんその家族や周りの人、そして何より観に来てくださるみなさまを無闇に危険に晒すことはできないと考えているからです。

今この状況下で、まずそれぞれの生活を守り、健康を守り、きちんと生きのびることに集中しようということを繰り返し繰り返し話し合っています。

平泳ぎ本店に関わるメンバーもそれぞれ状況の変化はありつつも、なんとか元気に過ごしています。

また、この状況下で生まれた時間や機会を生かしながらそれぞれに研鑽を積み、またいつか演劇を行えるようになる日を見据え、学びを深めています。

2021年も、現時点で本公演の予定はありません。

しかしながら感染症対策に十分留意し安全を確保し、実現可能な手段を組み合わせることで、演劇の公演ではなくとも何かしら、自分たちなりに面白いと思えるものを、映像なのか、あるいは文章なのか、発表したいと考えています。

おもしろいものをつくっていたいという気持ちは止まりません。

その時にはぜひ、もし余裕がおありでしたら、覗いてみてください。

今はまだまだ力が足りませんが、この暗く寒い冬を過ごしたことを糧として、近い将来かならずえんぶの表紙を全員で飾ります。

そう信じて、この時期を過ごしていきたいと思います。

これからも平泳ぎ本店にご期待ください。

予断を許さない状況が続き、多くのストレスを抱える大変な日々が続くことと思います。

くれぐれも皆様もお体には気をつけて、ご自身や周りの方の健康を守りながらこの日々を無事にやり過ごせますよう、心から祈っています。

私も、平泳ぎ本店一同も、この世界で他の人にやさしくあり続けられるよう頑張ります。

平泳ぎ本店 主宰
松本一歩

第2回新潟劇王 決勝 審査員講評会

第7回公演に先立ちまして、5月4日に行われた第2回新潟劇王の審査員講評、昨日の予選Bブロックの際の講評に引き続きまして決勝分を公開いたします。

(他団体の皆さまの分の講評をすべて文字起こしすることは叶わず、平泳ぎ本店の上演に関する部分だけとなっております。あしからずご了承ください。)

重ね重ね、審査員の皆さまに言葉にしていただいたおかげで、上演の空気感をお伝えするものになっているのではないかと思います。

とてもあたたかい講評の時間となり、新潟劇王という大会へ今回参加できたことを一同深く感謝しています。

この場をお借りして、改めて第2回新潟劇王の関係者の皆さまに深く感謝いたします。

黒澤世莉 さん

松本さん、お疲れさまでした。

昨晩、僕とノブさん(審査員、中村ノブアキさん、 JACROW)で議論になったんですよ。「平泳ぎ本店の作品は普遍性があるか否か?」みたいな論点で。おそらく演劇をやってらっしゃる方も客席には多いと思うんですけど、演劇をモティーフにして作品をつくってそれを上演するという時に、果たしてそれが演劇とは関わりのない観客にもリーチするのだろうか?という議論がありました。

答えは出てないので皆さんにもぜひ聞きたいなって思うし、松本さんも聞きたいですよね?観客の皆さんがこの作品をどうとらえられたか。(松本「ええ、ええ。」)平泳ぎ本店の皆さんもきっと皆さんの声を聞きたいと思うので、SNSにも平泳ぎ本店さんはアカウントを持っていらっしゃるから、「私はある種の普遍性があると思います」とか「私は内輪ネタに感じます」とか、そういう声が聞けると僕もノブさんも「ほら俺の方が合ってたーーー!!」みたいな感じで、あとで遊べるので。

デウス・エクス・マキナについてちょっと補足したほうが良いかなって思って、観客の皆様はもうご承知かも知れませんけども。デウス・エクス・マキナは「機械仕掛けの神様」っていう意味です。古代ギリシャの演劇とかで最後どちゃーっと人間達が収集がつかなくなる。それで最後に神様が出てきて話をまとめてくれる。

今回の作品もそういうものが最後に出てきて終わるっていうお話なんですけど、なんとなくそのデウス・エクス・マキナに抗おうとしていることの効果がちょっと緩いかなとは思って。(舞台機構の)バトンて昨日降りてなかったよね?(松本「はい。」)バトンが最後降りてきた時に、「それは何だーーー?!」って、僕は思って。「だったら俳優のからだだけでやれよー!!お前らー!!!」的な謎の気持ちに僕はなってましたが、皆さんどうでしたか?

えーーー、お疲れ様でした。笑

中村ノブアキ さん

お疲れ様でした。

これは本当にどうでも良い話なんですけど、実は一回目を観た時にも思ったんですけど(出演の)松永さん(松永健資)が僕の知人にそっくりなんです。その僕の知人も俳優をやっているんですけど、本当に似てるなあ、と思いながら観ていました。なんならお芝居の質も似てるんですよ。そういう意味で、いろんな意味で不思議な体験をさせてくれたなって思っています。

さっきの基準(「決勝での上演に際して、空気をつくれたか」「一回目よりもより深められたか」)でいうと、(一団体目の中央ヤマモダンさんへの評価とは)逆です。

「空気のつくり方」という意味では、もう非常に上手いなあと。そこはかなり稽古を積んだこともわかるし、俳優同士の信頼関係というのも実はよくわかります。だから舞台上でのコンビネーションが凄まじく良い、だから安心して観られました。

ただ、一回目に比べて二回目は深まったかっていうと、結局戯曲で言っていることそのものがある種リフレインだし、一回聞けばわかるような内容ではあるので戯曲上の新しい発見という点ではサンカクだったという意味において、その辺は非常に難しいんですけど…。

俳優を見せるという意味においての圧倒感というのは本当に素晴らしいので、そういう意味で今日の上演も本当によかったなと思います。お疲れ様でした。

七味まゆ味 さん

私も大好きな作品で。はい、大好きですもう。これもさっき(中央ヤマモダンさんへの講評)と同じで、好きなシーンがたくさんあって、全部言えるくらい本当に素敵だなって思って、

ただ、今日のステージだけでいうと何かが足りなかった気が私はした。好きなんですけどね。

私がこの作品について何が好きだったかっていうと、たぶん「演劇とは何か」っていう議論ができるところがすごく素敵だなって思っているんです。私の所属劇団でもそういう創作をすることがあると思ってるんですけど、たとえばここりゅーとぴあも能楽堂がありますよね?私は割と「神に捧げるもの」とか、そういうイメージを演劇に対して持っているんです。「神楽舞」とか。

そういう意味で、この作品について、肉体的なパワーを押し出してくる作品ていうよりは、アンサンブルで何かを、魂を、ささげているように見えたんですよね。そういう瞬間が実は昨日の上演にはあって、そこに感動したんですよ。そしてやっぱりそれを期待してしまっていると、ちがったの今日は。(「神に捧げるもの」というよりは、)演劇だった、今日は。って思ってしまって。ただ、好きではあるんですけど。

だからすごく難しいものだなって思うんです、演劇って。なんなら私もそういう瞬間を求めるために演劇をやっているところもある。それは俳優の力で生み出すものだけれど、観客や空間に呼応して生まれるものでもあるし…ステージ毎の些細な変化で変わってくる、それがどうしたら出現するのかの答えは私の中でも出てないんですが。ただその昨日の上演で感じたものを、今日の上演からは私は感じなかった。

っていうのが正直あるんだけど、ただそれを抜きにしても演劇作品として本当に素晴らしいチームワークと肉体と、あとは演劇に対する想いとか気持ちがあると思うんですね、この作品には。いろいろ詰まっている。それはとても感じました。そして「演劇とは何か」、「俳優とは何か」、「どこまでが演劇か」っていうようなところを考えさせてくれるいい作品だったなと思います、ありがとうございました。

佃典彦 さん

お疲れ様です。

えっと、結局、(平泳ぎ本店の作品が)演劇として普遍的かどうか、の話はどっちがどっち?

中村 僕は厳しいんじゃないかと。

黒澤 僕は突破できるんじゃないかと

佃 あぁ、なるほど…。

えっとね、僕ね、作品について普遍的というかどうかはわからないけど、感覚としてはね、たとえば僕スポーツではプロ野球が好きなんです。中日ドラゴンズのファンで。野球の試合は結構球場行ったりして観るんですけど、つい先月横浜でDeNA戦を観に行こうと思ったら、コロナで中止になっちゃったんですよね。

で、結局プロ野球はやってないものだから、ほんとうにたまったま、千葉ジェッツとどこだったかな、バスケのBリーグの試合を観に行ったんです。僕バスケットボールのルールはほとんどわからないの。枠の外から打ったシュートは3点になるんだっていうことくらいしか全然わからなくて、さっぱり。

だけど、おもしろかったんです、すごく!!ルールは全然わからないんだけど、そのスタジアムの熱気や観客の様子もそうだし、まあすんごいおもしろいな!っていうことに、僕は(平泳ぎ本店の作品は)すごい近いなって思っていて。だからまあどっちかっていうと僕は「突破できる」派というか、作品として普遍的なのかどうかは別にしてね。演劇のことをまったくわかんない人が観ても十分おもしろがれるんじゃないかなとは思っているというのが僕の答えで、、、(「チーン!」と、制限時間のベルが鳴る。)

終わっちゃったなあ。笑

えーっとね、あの、僕やっぱりこの、俳優、今回の役者さん三人について「僕はこの人たちをいつまでも見ていられるなあ」っていう感じがやっぱするんですよね。それがいちばん、大きいかな。その話っていうか、戯曲そのもののドラマやおもしろさがどうということではなくて、俳優。

いつかね、この『ニポン演劇盛衰史』の中に「佃典彦」の名前が入るように僕も精進したいなと思いました。

第2回新潟劇王で上演した『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』を東京は目白、シアター風姿花伝にてフルサイズで上演します。6/23-26です。こちらもどうぞご期待ください。

第2回新潟劇王 予選Bブロック審査員講評会

第7回公演に先立ちまして、5月4日に行われた第2回新潟劇王の審査員講評を公開いたします。

(他団体の皆さまの分の講評をすべて文字起こしすることは叶わず、平泳ぎ本店の上演に関する部分だけとなっております。あしからずご了承ください。)

審査員の皆さまに言葉にしていただいたおかげで、上演の空気感をお伝えするものになっているのではないかと思います。

この場をお借りして、改めて第2回新潟劇王の関係者の皆さまに深く感謝いたします。

黒澤世莉 さん

松本さん、お疲れ様でした。

一生懸命汗をかいて馬鹿なことをやっているなあって思いました。いいよね、そういうの。

馬鹿なことをやっているんだけど、とってもたくさんいろんなことを調べられていて、「演劇の知識を勉強させてもらえてうれしいなあ!」という気持ちになって、そこも僕は好きでした。

この「演劇のことを語る」っていうこと自体は面白いし、笑えるし、それ自体は僕はよいと思っています。ただ、そうして現代の演劇が抱えているたくさんの大事な課題を描いていることが、どうやってこの現代の社会に接続するか、とか、どうやってこの新潟という地域に接続するかという補助線が見えないなって思って。それがあったらすごいと思うんですね。

その回路をどういう風につくったらいいか僕もわからないんだけれども、「その回路が見たいな」というのが、観終わった時に真っ先に思った率直な感想でした。俳優が汗をかいてるのは良いよね。

お疲れ様でした。

中村ノブアキ さん

お疲れ様でした。

本当に世界観が圧倒的で、俳優の躍動感もすごくて、めっちゃ本公演が観たくなりました。本当にシアター風姿花伝で本公演をやるんですか?

(松本 ……はい!)

中村 (笑)。めっちゃ見たくなりました。ただ、この二十分間で見た時の評価は本当に難しいなと思って。というのも僕の気持ちの持っていきようがちょっとよくわからなくなったんですよね…。

正直に言うと「笑えるか?」っていわれるとそこまででもなかったし、たしかに俳優の躍動感はすごくて、それにこう、ある種「熱いなあ!」って思うところもあるんですけど…。あと、ほぼ素舞台の中でかつ衣装もシンプルな中でやっているっていう潔さもすごくいいんですけど。

ただパッケージとして見た時に、「これは一体なんなんだろう?」っていうのがわからない。キャラ芝居だからなのかなあ…、ちょっとよくわからないんです。だから、平泳ぎ本店さんに対する三人(他の審査員)の評価がすごく気になります。

そういう意味で僕は、後で点数も出ますけど、あくまで僕の中では「勝負に勝って試合に負けた団体だな」というイメージです。だからもうちょっと本公演で、二時間のサイズでちゃんと見たら、たぶんすごいのかも……?という風に、ちょっと期待させられました。はい。期待しています。

七味まゆ味 さん

お疲れ様でした。

私の感想・講評としてはすごい冒険や挑戦を感じて、たぶん(平泳ぎ本店の)他の作品は全然また違うものなんだろうなと思って、二十分という時間を一番うまく使っていたんじゃないかと思いました。

二十分だから見られた作品でもあると思うし、二十分の中で挑戦した作品でもある。しかもその「俳優」だとか「劇作」だとか「演出」だとか「演劇史」というものを今この時代に扱うということについて、なにかパッションでそれをやりたくなったのだろうなという風に感じて、見る価値のある舞台だったんじゃないかなと思いました。

三人の俳優のアンサンブルが心地よくて、それもしっかりした技術があってできることだと思うので、その俳優の皆さんのレベルの高さをとても心地よく感じて、私はすごい爆笑しながら見てしまいました。

(内容については)わからないところも多々あるんですけど、それでも爆笑させられるっていうのは三人の俳優に呑まれたというところが私はあったので、すごく素敵だったなあと思いました。本気の俳優さんをみせてもらったというか、この作品に対する覚悟を感じた気がして、そこが私は心地良くて、良い時間だったなあって思いました。

あとは、観ている側として考えなくてはならない時間にもなりました。三人の俳優がちゃんと真剣だったからこそ、内容として出てくるセクハラ・パワハラの問題とか、「コロナの時代が~」とか「助成金が~」ということについても、割といま(現代)のことにつながる課題として受け取ることができました。

そういったことをちょこちょこと、でもちゃんと詰め込みながら作品をつくっていらっしゃったということについても、演劇で遊んでいるともいえるし、そこに対する覚悟も見えるし、あと計算も見える。たとえば私たち審査員のような、演劇を知っている玄人も見るんだろうなっていうような計算も入っている、その喰えなさも含め、うん、嫌いじゃないなって思いました。

計算だったところもあると思うんですけど私はまんまと、好きだなって思わされたし、胸に突き刺さったところもたくさんありました。

ただ、あの、うちの中屋敷さんは実家が別に資産家ではないということだけはお伝えさせて頂ければなと思います…。

会場 (笑)。

七味 力があってよかったと思います、ありがとうござました。

佃典彦 さん

お疲れさまでした。

僕は普段あんまり、劇王の審査の時に事前に台本を読んだりとかせずに観るんですけど、ちょっとタイトルがすごく気になったので、楽屋でちょっとパラパラっとめくって見てみたんです。読んだというよりは、見たという感じだったんですけど。

そうしてちょっと見ただけでも「え、これ、どうやって上演するの?」「俺、これ(上演を見たとしても)わかるかな?」って思ったんです。

話の骨格としては「俳優が演出家とプロデューサーたちにいろいろ演出をやられて殺されてしまって、生き返るために演劇史を勉強しなさい」っていう大枠がしっかりしているから、すごく見られたんだよね。巻き込まれ型のお芝居になっていて。その大枠があるからあとは「なにをやってもOK!」みたいな、すごい自由を獲得した作品だなって思ったんです。平泳ぎさんたちの決意表明みたいな感じにも見えたし。

でね、一番僕がすごいなって思ったのは、俳優さんたちが普段どうやって練習しているのか…。肉練(肉体訓練)をしているのかはちょっとわからないけど、あんだけね、音を立てずに舞台上を駆け回るってね、俺、大駱駝艦かと思ったよ!!すごいなあ!!って。あんなのできないよね。ちょっともう、そう思いました。

第2回新潟劇王で上演した『俳優の魂/贋作 不思議の国のニポン演劇盛衰史』を東京は目白、シアター風姿花伝にてフルサイズで上演します。6/23-26です。こちらもどうぞご期待ください。

Audi-toriumを開催します。

平素よりお世話になっております。

平泳ぎ本店のことを気に掛けて頂きましてありがとうございます。

平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co.主宰の松本一歩です。

このたびBITEという演劇雑誌の編集長である園田喬しさんという方のお力をお借りして、Audi-torium(オーディトリウム)という演劇のイベントを主催することになりました。
(『演劇ぶっく』での平泳ぎ本店のインタビューを担当してくださった方です。)

Hiraoyogi Co. x BITE presents
Audi-torium vol.1
きれいに晴れわたった、しんとした朝
2021年 12月19日(日)
一日二部(朝・夜)入れ替え制
in the house (西早稲田)

今回こうしたイベントを主催することになった経緯と近況報告を、なるべくかいつまんで書いておこうと思います。

昨年のコロナ禍以来、なにしろ安全第一を旨とする平泳ぎ本店ではこれまでのような団体としての劇場での公演や稽古場での創作活動をいったん中止し、状況の見通しがつくまで冷温保存ともいうべき休止状態となっていました。

その間、期を前後して、これまで平泳ぎ本店で活躍してくれていた二人の俳優が演劇活動から離れなければならなくなりました。

ひとり(宍倉直門)は就職し、ひとり(ニノ戸新太)は故郷の畑を耕すために地元へと戻りました。
(※ニノ戸は表現活動は継続して行っているとのことです。)

そんななか、今年(2021年)の春先に、このコロナ禍の影響を受けてとりわけ若い世代の人たちが劇場へ足を運ぶことが出来ず、創作をすることも出来ずに大きな影響を受けているという声を見かけました。

私自身、劇場でたくさんの演劇作品を観られたことがもとで今このように演劇活動ができているという自覚があり、若いうちに劇場へ足を運ぶ機会が減ってしまうのはとても辛いだろうと思いました。

自分なりにいろいろと考えてみて、そんな若い人たちへ向けて、たくさんの演劇団体をまとめて観て貰えるようなショーケースのようなイベントが企画できないかと考え、BITE編集長の園田さんへとお声がけをさせて頂きました。

BITEという演劇雑誌には、私自身が劇場で観たり、名前を聞いたり憧れたりしたことがあるような小劇場のアーティストの方たちのことが目いっぱい詰まっていました。

そんな雑誌を編んでいらした園田さんに全体のプログラムディレクターをお願いすることで、たとえば雑誌をひらくように、いろんなアーティスト、批評家や研究者が一堂に会する刺激的な時間になったらいいなと思って今回このイベントを企画しました。

今回、平泳ぎ本店としてこのイベントを運営します。

先にも書いた通り、俳優が少なくなってしまったことや、あるいはコロナ禍での創作ということに関しての距離感もまた人それぞれであったり、ひとりひとりの外部での出演予定が重なったという事情もあり平泳ぎ本店としての創作は叶いませんが、いかにパフォーマティブにこうした場を運営できるか、ということを考えたいと思っています。

少なからずコロナ禍の影響を受け、まだ団体としては6年そこそこ(since2015)ですが、これまでずっといっしょにやってきた俳優が演劇から離れていってしまうことの寂しさと悲しさを初めて感じました。

この非常事態にあって、文化芸術をとりまく様々な制度や環境が整っていないことが明らかになり、たくさんの人たちの辛い声も日々聞こえます。

それでもまだなんとか幸いにも演劇を続けることができるのならば、せめてすこしでも楽しいことを考えていたい、というのが正直な心情です。

これでもずいぶん長くなってしまったので、あいだを二個、三個飛ばして申し上げるとすれば、平泳ぎ本店は5年以内に野外で演劇の公演を行わなければなりません。

イントレを何本も立てて、今まだ誰も想像していないような場所で、野外で、演劇の公演を行わなければなりません。

そうしてまた、平泳ぎ「本店」というくらいですから、実店舗も構えなければなりません。

ライブハウスのような、演劇のための場所です。

シアトルのCROCODILE CAFEのようなカフェ&バーとライブハウスが一体となり、いいバンドがライブをしていればカフェのお客さんも追加のフィーを支払ってライブハウスへと進む。そんなイメージです。

毎夜よくわからない人達がうごうごしていて、そして日々いい演劇が上演され、うまいクラフトビールもタップで出す。

きちんと地下には稽古場も並置し、かつて六本木の地下のオンシアター自由劇場で串田和美さんと吉田日出子さんがそうしたように、俳優たちが一生懸命稽古をする。

状況は厳しく、決して予断を許すものではありませんが、粘って5年後10年後に繋げられるよう、一生懸命このAudi-toriumという場を運営したいと思っています。

よろしくお願いいたします。

平泳ぎ本店 主宰
松本一歩

【出演情報】 『唐版 風の又三郎』劇団唐ゼミ☆

平素より大変お世話になっております。平泳ぎ本店 主宰の松本です。

このたびいつもお世話になっている劇団唐ゼミ☆さんの公演へ、弊本店より小川・松本・丸山の三名が参加することになりました。

【『唐版 風の又三郎』あらすじ】
宇都宮のホステスであるエリカは、客である航空自衛官:高田三郎に恋するが、
高田は隊の戦闘機を乗り逃げし、海の藻屑と消える。
どうしても高田を思いきれぬエリカは、彼の死の謎を追って
元の上司たちが転職している代々木のテイタン(帝國探偵社)に辿り着く。
そこが女人禁制ゆえに、男装して探偵たちに迫るエリカだったが、
名前を訊かれ、とっさに「風の又三郎」を名乗ってしまう。

一方、精神病院を脱走した熱烈な宮沢賢治読者の青年:織部は、男装のエリカを見かけ、
思わず「風の又三郎さんではありませんか?」と問いかける。
偶然一致した呼び名をきっかけに協力するようになった二人は、
帝國探偵社の奥で、棺に眠る高田三郎に辿り着くが・・・。

上記登場人物のうち、高田三郎を小川哲也が、織部を丸山雄也が勤めます。

劇団唐ゼミ☆ 第30回特別公演 延長戦!
唐十郎の最高傑作! 今度は浅草で飛ぶ!!!
『唐版 風の又三郎』
作=唐十郎  演出=中野敦之

【公演日程/場所】
2021年
10月12日(火)〜17日(日)
開演15:30(開場15:10)
場所:浅草花やしき裏 特設テント劇場

予約方法、公演詳細はこちらの唐ゼミ☆さんページよりご確認ください。

小川哲也コメント
こういう状況になって、自分はなぜ今演劇をやるのかということを常々考えます。はっきりとは答えは出ません。
ただ、稽古場に行き、考え、また稽古場に行き、また考える、そういう生活を改めてしていると、ああ生きているな、としみじみ思います。それが出来ることがありがたい事なんだな、と。自分の悦びのために芝居をしているのかもしれません。
こんな身勝手をしているんだから、せめて観に来てくれる方に、応援してくれる方に、良い時間を過ごしていただけるよう精一杯を尽くします。テントでお待ちしています。

丸山雄也コメント
劇団唐ゼミ⭐︎『唐版 風の又三郎』に
参加することとなりました。宮沢賢治をこよなく愛する織部という役です。
僕はもともと自分の言葉を用いて、特にTwitterやFacebookなどSNS上で表現をすることが苦手です。今年に入ってからはそれに拍車がかかり殆ど更新をしなくなりました。
苦手に加えて、この時世・今、生きていながら自分が語る言葉がみつからない、自身の言葉を外に向ける気になれないといいますか。
そんなことだから演出の中野さんからも
「言葉(台詞)が内にこもっている」と言われてしまうのかもしれませんが、それは二重にマスクをして稽古をしている所為だと思いこみ、外に外に向かっていくようにしています。
自分が(を)語る言葉は、中々見つけられません。
だからせめて役として頂いた言葉には誠実に、身体ごと向き合いたいと思っています。
テントで闘う松本一歩・小川哲也・丸山雄也をぜひ観にいらしてください。

松本一歩コメント
かつて思うような創作ができなかったせんがわ劇場演劇コンクールでの上演を観ていただいた後にロビーで「俳優はいいんだから頑張れ」と声を掛けてくださったのが他ならぬ唐ゼミ☆の中野さんでした。
そしてまた別の機会に「こういうコンクール(神奈川かもめ短編演劇祭)があるのだけど出てみない?」と声を掛けてくださったのも中野さんでした。
あの時あのタイミングで声を掛けて貰えることがなかったら、思いの外簡単に平泳ぎ本店という団体はなくなっていたかもしれません。
そうした恩返しの意味も込めて、平泳ぎなりの「バリッとそろった役者体」で『唐版 風の又三郎』の矩を踰える膂力となりたいと思います。

引き続き決して予断を許さない厳しい状況ではありますが、換気消毒マスク着用に二度のワクチン接種と平泳ぎの一同細心の感染症対策を重ね、その一翼を担えるよう勤めたいと思います。

決して無理を申し上げることはできませんが、よろしくお願いいたします。

お問い合わせなどありましたら下記アドレスまでお願いします。
hiraoyogihonten@gmail.com (平泳ぎ本店 松本)

【次回出演情報】ストレンジシードに出演します。

いつも平泳ぎ本店を気に掛けていただきまして誠にありがとうございます。

このたび、今年のゴールデンウイークに静岡で開催されるストリートシアターフェスティバル、ストレンジシードに参加できることとなりました。

ストレンジシードとは→http://www.strangeseed.info/

以下、上演予定の詳細です。

『蒼い胸騒ぎ/Aoi anxiety』(新作)

平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co.

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会場 [エリア]市役所エリア
[ベニュー]レトロゲート
日程 2020年
5月2日(土)16:00
5月3日(日)16:30
料金 予約不要・観覧無料

「ストレンジシード出演にあたって」

いつも平泳ぎ本店を気に掛けてくださいまして、誠にありがとうございます。

小さな演劇団体を主宰するものとして、そして普段足しげく劇場へ足を運ぶものとして、この2月から3月にかけて公演やイベントが中止または延期となった舞台芸術関係者、そしてそこへ足を運ぶ予定だった観客の皆様の心境は想像するに余りあり、私自身その悲しさと無念、やるせなさを同じくしています。

今回ストレンジシードへの出演が決定したとて、このあとの二ヶ月が一体どんなものになるか全く想像の出来ないものであることに変わりはありません。

5月第一週の静岡での開催ということで、現時点よりは幾分事態の収束が見込めること。

そして密室空間である劇場での上演でなく、野外のオープンエアーでの上演であることを考慮し、観に来て下さる方々の感染リスクも今(2020年3月上旬)と比べれば少なくなるだろうと考え、平泳ぎ本店としてはストレンジシードの開催を信じてこれから参加のための準備を進めたいと考えています。

(もちろん実際の開催の可否ならびに一部内容の変更や、規模の縮小などを決定されるのはストレンジシード静岡事務局、主催の静岡市です。)

今回のこの混乱は、この先数か月から数年、あるいは数十年かけてありとあらゆるかたちで私たちの生活の上に影響を及ぼすものだろうと深刻に受け止めています。

他の音楽やスポーツなどのライブイベントと同じように演劇もまた創作だけでなく、それを見届ける観客の方々がいて初めて演劇作品になります。

演者としての私たちはもちろん予防において万全の備えと、創作の過程で接する可能性のある周囲の方々への感染拡大防止に努めたいと考えています。

(若者は重篤化する可能性は低いが保菌者になる可能性はあるのでマスクをし、家族や周囲のひとの安全も守れるよう手洗いうがいを徹底し、よく食べ体調を整え免疫力を高め元気に機嫌よくこの日々を過ごしてくれるよう関係者の人たちには伝えてあります。)

そして実際の上演においても、上演団体としてそこに居合わせてくれる観客の方々のあらゆるリスクを軽減するための対策を講じられるようフェスティバル側と協力し、演技・演出面でも考えを巡らせた上で、安全第一にゴールデンウィークに静岡で作品を上演できるよう準備を進める所存です。

最後に、今回の混乱の最中のすべての判断が尊重され、舞台作品への理解と想いのある人たちの支援によって公演を中止された方々の傷が少しでも小さなものになることを祈っています。

そしてひとりひとりが歩みを止めず考え続け、ささやかでも行動を積み重ねることで状況が一日も早く収束し、すべての人の日常と劇場に平穏な日々が戻ることを心の底から祈っています。

平泳ぎ本店 主宰
松本一歩

Theatrical Power-POP 2

Hiraoyogi Co./平泳ぎ本店

Theatrical Power-POP2

Upcoming 2020 early summer

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≪Hiraoyogi Works≫

近年神楽坂セッションハウスにて『演劇的な、余りに演劇的な』(2018)、『Theatrical Power-POP』(2109)という作品を発表してきた平泳ぎ本店。

「演劇とは何か?」という問いの下、様々なテクストをあらゆる演劇的な手法を用いてシーンに立ち上げコラージュしてきました。

『Theatrical Power-POP2』(仮)はその同系統の作品の3作目となります。(予定)

もともと第一作目の『演劇的な、余りに演劇的な』というタイトルはもちろん芥川龍之介の『文芸的な、余りに文芸的な』を下敷きにしたもので、芥川ー谷崎両人が論じた「小説とは何か」という問いを演劇に読み換え、同時代や古典の様々な戯曲を引用しつつシーンを紡ぐそれは早稲田小劇場、鈴木忠志氏の『劇的なるものをめぐって』という作品へのオマージュでもありました。

(そしてまた、男性だけのカンパニーで、かつ神楽坂セッションハウスでそうした形式の作品を発表するにあたって、コンドルズもまた強く意識しました。)

平泳ぎ本店という団体では劇作家、演出家を置かずに、俳優による集団創作(ディバイジング)を行っています。

その中で俳優の身体性、存在感、魅力を十全に発揮するためにはどうしたらよいかを考え、”コラージュ”という方法にたどり着きました。

様々な戯曲、小説からの引用、コラージュを行うことで舞台上の俳優は物語の筋から解放されて官能性を発揮し、各戯曲は元の文脈から解放/再構成されることで新たな魅力を獲得します。

そして一つの作品の内に様々な戯曲・小説からの言葉を並べることで、あたかも料亭の刺身の盛り合わせで北から南、西から東まで日本全国の美味い魚が並べられるように、あるいはウエブに張り巡らされたハイパーリンクのように、観客の方は一度の上演で実にさまざまな作品の片鱗に触れる機会を得ることが出来ます。

また昨今、第63回岸田國士戯曲賞の選評で岡田利規氏が触れていた「〈普通の演劇〉への嗜好と〈普通じゃない演劇〉へのそれとのあいだにある溝」ということについて、私(主宰・松本)自身も尋常ならざる問題意識を抱いています。

演劇というごくごく小さなマーケットの中でさえ、あなたの界隈とわたしの界隈はこんなにも異なる。

演劇人として最も肌で感じる社会の「分断」といえばこの”溝”に尽きると考えています。

そして私はつくる作品を通じてその”溝”に橋を架けたいと考えています。

そのために様々な演劇的な手法を駆使し、観た人が「これは演劇ではない」「これが演劇だ」という物言いでははかれないような「得体のしれない何か」ともいうべき上演を実現するべく日夜創作をしています。

『TheatricalPower-POP』終演しました。

いつもありがとうございます。
平泳ぎ本店です。

去る8月4日、神楽坂セッションハウスにて『TheatricalPower-POP』が無事に終演いたしました。

ご来場頂いた皆様も、観には来られずとも気にかけてくださった皆様も、誠にありがとうございました。

ネタバレ(?)を含む舞台写真です。
公演の雰囲気を伝える素敵なかっこいい写真が揃いました。
ぜひぜひご覧ください。(撮影:北原美喜男)

平泳ぎ本店
『Theatrical Power-POP』
Dzoneフェスティバル2019参加作品
@神楽坂セッションハウス
2019年
8/3土 19:00 8/4日 13:00/17:00

 

構成:松本一歩
演出:平泳ぎ本店

照明:加藤泉さん
→18以上(!)のシーンに、限られた時間の中で辛抱強く素敵な灯りをいくつもいくつもつくって下さいました。

音響:宇野愛生さん
→劇場下見から本番までの3日間で結局倍以上(!)に増えた音のきっかけ(しかも結構複雑なやつ)に、粘り強く丁寧に対応してくださいました。

舞台監督:鍋島峻介さん
→例によって時間が押しまくった下見(終電まで)、場当たりをやりきり、今回も公演にかかるあらゆることの面倒をみて頂きました。

スタッフ:石関美穂さん、古茂田梨乃さん
→受付、折込などフロント業務をすべておまかせしてカンパニーが公演に集中出来るのがセッションハウスでの公演のたいへん心強いところです。

 
プログラムディレクター:伊藤直子さん
→下見、ゲネプロの際に必ず客席で観てくださり、千秋楽の終演後ににこにこと話して下さるのが嬉しくて、もっとすごい演劇をつくれるようになりたいといつも心から思います。

 
企画制作:セッションハウス企画室(伊藤孝さん)
→直子さんと同じく、稽古とリハを客席でにこにこと見守っていて下さるのがいつもとても心強いです。

 

スペシャルサンクス
北原美喜男さん(舞台写真撮影)
→毎度おなじみ舞台写真の北原さんです。写真で見る平泳ぎ本店は本当にとてもかっこいいです。自分たちのスマホやカメラではどうやったってとてもこうは撮れないので、撮っていただいた一枚一枚が平泳ぎ本店の財産です。

常盤ライブラリ(ちゃぶ台)
→岸田國士『ぶらんこ』のシーン(ご飯を食べているところ)で使用したちゃぶ台を急遽お借りました。作品の構成の打合せや作戦会議など、いろんな時に平泳ぎ本店がいつも大変お世話になっております。

林麻子さん(劇団唐ゼミ☆ 当日進行協力)
→稽古場にふらっと遊びに来てくれたのをきっかけに、今回資材をお借りしたり、「当日進行協力」とは名ばかり、本番の映像のオペレーションをして下さったりと、めちゃくちゃにお世話になりました。

丸田裕也さん(音響協力) 
→劇中で必要な音の素材はすべて丸田さんが可及的速やかに用意してくださいました。毎度平泳ぎ本店は結局たくさん音を使うのですが、今回もものすごく、ものすごく助かりましたありがとうございました!!!

***

昨年に続いて二度目となる神楽坂セッションハウスでの公演は、このようにいろいろな方のサポートと、相変わらず懐の広いセッションハウスのスタッフの皆様のおかげでやりたいことをすべて詰め込むことができました。

セッションハウスに立てるということで背筋の伸びる思いもあり、コンクリート打ちっぱなしの独特な、それでいて親密な空間で自分たちの作品を上演できることには毎回純粋なよろこびを感じます。

今回の公演を経たことで、劇団として新たにやりたいことや挑戦したいことも出来ました。

来年、2020年はオリンピックイヤーの裏で平泳ぎ本店としては現時点では劇場での公演予定こそありませんが、より長いスパンでカンパニーとしておもしろい創作を続けられるよう力を蓄え勉強をし、見聞を広めながら日々を過ごしたいと思います。

出演:小川哲也 河野竜平 宍倉直門 鈴木大倫 
   松永健資 松本一歩 丸山雄也

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平泳ぎ本店情報

■第4回公演『ボーク』(作:越寛生(劇)ヤリナゲ)
■第5回公演『この戯曲を演じる者に永遠の呪いあれ』
(作:武重守彦(めがね堂))
観劇三昧にて配信中!各作品三分間無料視聴もできます。
https://v2.kan-geki.com/streaming?keyword=%E5%B9%B3%E6%B3%B3%E3%81%8E%E6%9C%AC%E5%BA%97&check_title=0&check_company=2&check_cast=0&check_staff=0&check_outline=0

■第6回公演『SAKURAnoSONO』近日配信開始!!
DVDも販売開始予定(大変お待たせしています、編集に大変時間が掛かってしまいました…。その分めちゃくちゃに凝った編集になりました。)
https://www.quartet-online.net/ticket/hiraoyogihonten_dvd
■物販情報
平泳ぎ本店Tシャツ(黒×クロ) ¥2500
https://kan-geki.com/store/products/detail.php?product_id=1694

そして現在、それぞれはすでに次の現場に向かっています。
各俳優の今後の活躍にもご期待ください。

今後の活動

≪小川哲也 次回出演≫
『深奥と夢鬱』
脚本・一川華
演出・大館実佐子、酒井直之、太田陽
2019年8月16日(金)-17日(17)
@アトリエ第Q藝術
https://www.quartet-online.net/ticket/thewell?m=0dhbdbf

≪鈴木大倫 出演≫
ヒガンノジカン公演
『鯨ヶ丘の詩』
作・柳瀬昌計
2019年12月11日(水)〜12月15日(日)
阿佐ヶ谷・シアターシャイン

≪松本一歩≫
◇【舞台出演】
PAPALUWA 第11回公演『アルプス』
作・演出:鈴木美波
2019年8月28日(水)~9月1日(日)
@すみだパークスタジオ倉
http://ticket.corich.jp/apply/101077/28/

◇【制作協力】
清水宏『戯曲の真相』@若葉町WHARF
(横浜)

≪丸山雄也 次回出演≫
『吾輩は猫である』
原作・夏目漱石
演出・ノゾエ征爾
2019年10月19日(土)-29日(火)
@東京芸術劇場 劇場前広場
https://tokyo-festival.jp/2019/wagahaihanekodearu/
『会社の人事ー歌なき平成の世にー』
脚本・犬井 邦益
演出・佐藤 信
出演・龍 昇 塩野谷正幸 大西一郎
丸山雄也ほか
2020年1月12日(日)-20日(月)
@若葉町WHARF

公演回数を重ねてみるごとに痛感しますが容赦なく時間は経過するもので、いちどとして同じ公演はありません。

今回も無事に公演を終えられたことを心より感謝申し上げます。

今後とも、平泳ぎ本店をよろしくお願い申し上げます。

平泳ぎ本店 主宰
松本一歩

 
【平泳ぎ本店】
2015年より活動開始。主宰・松本一歩。
全員が主に俳優であり、劇作家を持たない。稽古場で生まれるアイディアを俳優自身が揉み、様々な演劇手法を節操なく駆使しつつ、凝ったシーンを造形していく創作方法に特徴がある。
「真剣に演劇について悩んで、真剣に演劇を愛する」
(クリス・グレゴリー氏)。
第8回せんがわ劇場演劇コンクールファイナリスト
2018年、第3回かもめ短編演劇祭にて戯曲選抜チームとしてかもめ賞(最優秀賞)含む三部門を受賞。
オリジナル作品での海外公演を当面の最大の目標とする。
〔Blog〕 http://hiraoyogihonten.com
〔Twitter〕 @hiraoyogihonten
TEL:090-4099-2941
Mail:hiraoyogihonten@gmail.com

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舞台写真あり『Theatrical Power-POP』開幕しました。

平泳ぎ本店
『Theatrical Power-POP』
(Dzoneフェスティバル2019参加作品)が8月3日、
神楽坂セッションハウスで開幕しました。
本作は構成を松本一歩、演出を平泳ぎ本店がディバイジング(集団創作)によって手掛け、
能の『松風』やゲーテの『ファウスト』、岸田國士の『風俗時評』『ぶらんこ』など18のシーンからなるコラージュ作品です。
残る公演は8月4日(日)13:00と17:00の二回、神楽坂セッションハウスにて。
当日券も両公演とも販売予定です。

photo by 北原美喜男

【主宰・松本一歩コメント】
劇作家をもたない俳優だけのカンパニーとしてディバイジングという戦い方を選んだのが間違いではなかったと思える、クレイジーな手ごたえを感じるカラフルな作品になりました。
岡田利規氏が今年の第63回岸田國士戯曲賞の選評で述べたような「〈普通の演劇〉への嗜好と〈普通じゃない演劇〉へのそれとのあいだにある溝」を、私たちなりのやり方で飛び越える作品です。
ぜひ、劇場で目撃してください。
【公演概要】
Dzoneフェスティバル2019参加作品
平泳ぎ本店
『Theatrical Power-POP』
構成:松本一歩
演出・出演:平泳ぎ本店
古今東西、古典から現代まで、演劇の宝物を一つの舞台に閉じ込める。
演劇の力ですべての人の”今”を言祝ぐ。
■公演日時
2019年
8月3日(土) 19:00 終演しました!
8月4日(日) 13:00/17:00
■神楽坂セッションハウス
〒162-0805 東京都新宿区矢来町(やらいちょう)158
https://session-house.net/map_access.html
■上演時間:6585分(当初65分から変更となりました。)
■料金:一般 3,000円 学生 1,000円
■ご予約
hiraoyogihonten@gmail.com までご連絡ください。

≪作品について 詳細≫

平泳ぎ本店は昨年、神楽坂セッションハウスにて『演劇的な、余りに演劇的な』という作品を発表しました。

「演劇とは何か?」という問いの下、様々なテクストをあらゆる演劇的な手法を用いてシーンに立ち上げコラージュしました。

今回の『Theatrical Power-POP』もその同系統の作品の2作目となります。
もともと『演劇的な、余りに演劇的な』というタイトルはもちろん芥川龍之介の『文芸的な、余りに文芸的な』を下敷きにしたもので、芥川ー谷崎両人が論じた「小説とは何か」という問いを演劇に読み換え、同時代や古典の様々な戯曲を引用しつつシーンを紡ぐそれは早稲田小劇場、鈴木忠志氏の『劇的なるものをめぐって』という作品へのオマージュでもありました。
(そしてまた、男性だけのカンパニーで、かつ神楽坂セッションハウスでそうした形式の作品を発表するにあたって、コンドルズもまた強く意識しました。)

私たち平泳ぎ本店という団体では劇作家、演出家を置かずに、俳優による集団創作(ディバイジング)を行っています。

その中で俳優の身体性、存在感、魅力を十全に発揮するためにはどうしたらよいかを考え、”コラージュ”という方法にたどり着きました。


様々な戯曲、小説からの引用、コラージュを行うことで舞台上の俳優は物語の筋から解放されて官能性を発揮し、各戯曲は元の文脈から解放/再構成されることで新たな魅力を獲得します。

そして一つの作品の内に様々な戯曲・小説からの言葉を並べることで、あたかも料亭の刺身の盛り合わせで北から南、西から東まで日本全国の美味い魚が並べられるように、あるいはウエブに張り巡らされたハイパーリンクのように、観客の方
一度の上演で実にさまざまな作品の片鱗に触れる機会を得ることが出来ます。

また昨今、第63回岸田國士戯曲賞の選評でも岡田利規氏が触れられていた「〈普通の演劇〉への嗜好と〈普通じゃない演劇〉へのそれとのあいだにある溝」ということについて、私自身も尋常ならざる問題意識を抱いています。

演劇人として最も肌で感じる社会の「分断」といえばこの”溝”に尽きると考えています。
そして私はその”溝”に橋を架けたいと考えています。

そのために節操なく様々な演劇的な手法を駆使し、観た人が「これは演劇ではない」「これが演劇だ」という物言いでははかれないような「得体のしれない何か」ともいうべき上演を実現するべく日夜稽古をしています。


そういう表現を世に問うことで、1人でも多くの人に演劇に対して新しい考え方を持ってもらえると考えています。

今回の作品のなかでも身体表現であったり、音楽を用いたり、あるいはコント、パフォーマンスに近い表現も取り入れながらも、何より言葉の芸術である演劇の俳優の力を発揮できるようにと考え、さまざまなテクストを集めました。

「夢」というモチーフをベースにしつつ、全体を通じて描きたいのは「友達」や「仲間」あるいは家族といった親しい人を想うという気持ちです。

いまこの瞬間にしかない舞台上の俳優の姿を、力強く描く作品です。

ぜひ、劇場でお確かめください。