平泳ぎ本店第4回公演
ボーク
作・越寛生((劇)ヤリナゲ)
2018年2月16日(金)ー19日(月)
早稲田小劇場どらま館
「9回裏ツーアウト満塁、3点差。打席にはあいつが立っている。」
プロ野球選手、自殺志願者、痴漢、そして…。
この広い東京で、かくして人はすれ違う。
【出演】
小川哲也:フジモト 刑務官B
宍倉直門:カタオカ ドウジマ
松本一歩:ヤノ 刑務官A
丸山雄也:アンドウ 刑務官C
【スタッフ】
舞台監督:水澤桃花(箱馬研究所)/照明:舞台美術研究会/音響プラン:人見ユウリ/音響操作:岸本楽
小道具協力:辻本直樹(Nichecraft)/OP映像製作:岡本俊/舞台写真撮影:北原美喜男/映像撮影:観劇三昧 舞台撮影所(赤羽芳昭)/当日運営:つりはるこ
宣伝美術:荒舩亮/広報協力:月館森
主催・企画製作:平泳ぎ本店
スペシャルサンクス:スタジオ・アーキタンツ DWS2017_oji アナログスイッチ 丸山家 鈴木美波 E・S ART CORE Hikari Honpo
【越寛生 挨拶】
野球を見るのが好きで、自分では少しもできないのですが、球場に行ったときのぶわっと視界がひらける感じは、劇場にはないステキさです。そして戯曲が用意されている演劇と違って、いつ何が起こるのか、見ている人はおろかプレーしている人にもわからないというのも、ぼくはすごいと思うのです。
でも当然、そこにいる人の数だけ、裏にはお話があるはずです。だからぼくが見てきたあの試合のあの瞬間、それまでにこんなことがあったかもしれない、、、という、四つのお話を書きました。楽しんでいただければ幸いです。
【主宰・松本一歩 挨拶】
こんにちは。この平泳ぎ本店という団体を主宰しております松本一歩(まつもとかずほ)です。本日はご来場誠にありがとうございます。
越さんに戯曲をお願いするときに「ある種の暴力を期待しています」とお伝えしました。たとえそこに何が(あるいはどれだけ)書かれていたとしても、劇作家の書いた言葉を、自分達はとにかく一言一句たがわず上演しますから、と。
人の書いた言葉と向き合うというのは、とても面白いことです。その言葉をきちんと伝え、届けるというのも、またとてもおもしろいことです。その言葉を喋っている間、他の誰かになれるような気がします。そんな高揚感があります。それが俳優という仕事のおもしろさなのだと思います。
越さんの書いた言葉があり、それを託された役があり、それを語る俳優がいます。
でもそれって嘘なので、いつかきっといたたまれなくなります。演劇の力を信じていながら、なんだかふとした瞬間に、逸脱してしまう。そんなときに聞こえてくるのが、きっと「ボーク」のコールなのだと思います。良いタイトルをつけて下さいました。
どうか、最後までごゆっくりお楽しみください。