『TheatricalPower-POP』終演しました。

いつもありがとうございます。
平泳ぎ本店です。

去る8月4日、神楽坂セッションハウスにて『TheatricalPower-POP』が無事に終演いたしました。

ご来場頂いた皆様も、観には来られずとも気にかけてくださった皆様も、誠にありがとうございました。

ネタバレ(?)を含む舞台写真です。
公演の雰囲気を伝える素敵なかっこいい写真が揃いました。
ぜひぜひご覧ください。(撮影:北原美喜男)

平泳ぎ本店
『Theatrical Power-POP』
Dzoneフェスティバル2019参加作品
@神楽坂セッションハウス
2019年
8/3土 19:00 8/4日 13:00/17:00

 

構成:松本一歩
演出:平泳ぎ本店

照明:加藤泉さん
→18以上(!)のシーンに、限られた時間の中で辛抱強く素敵な灯りをいくつもいくつもつくって下さいました。

音響:宇野愛生さん
→劇場下見から本番までの3日間で結局倍以上(!)に増えた音のきっかけ(しかも結構複雑なやつ)に、粘り強く丁寧に対応してくださいました。

舞台監督:鍋島峻介さん
→例によって時間が押しまくった下見(終電まで)、場当たりをやりきり、今回も公演にかかるあらゆることの面倒をみて頂きました。

スタッフ:石関美穂さん、古茂田梨乃さん
→受付、折込などフロント業務をすべておまかせしてカンパニーが公演に集中出来るのがセッションハウスでの公演のたいへん心強いところです。

 
プログラムディレクター:伊藤直子さん
→下見、ゲネプロの際に必ず客席で観てくださり、千秋楽の終演後ににこにこと話して下さるのが嬉しくて、もっとすごい演劇をつくれるようになりたいといつも心から思います。

 
企画制作:セッションハウス企画室(伊藤孝さん)
→直子さんと同じく、稽古とリハを客席でにこにこと見守っていて下さるのがいつもとても心強いです。

 

スペシャルサンクス
北原美喜男さん(舞台写真撮影)
→毎度おなじみ舞台写真の北原さんです。写真で見る平泳ぎ本店は本当にとてもかっこいいです。自分たちのスマホやカメラではどうやったってとてもこうは撮れないので、撮っていただいた一枚一枚が平泳ぎ本店の財産です。

常盤ライブラリ(ちゃぶ台)
→岸田國士『ぶらんこ』のシーン(ご飯を食べているところ)で使用したちゃぶ台を急遽お借りました。作品の構成の打合せや作戦会議など、いろんな時に平泳ぎ本店がいつも大変お世話になっております。

林麻子さん(劇団唐ゼミ☆ 当日進行協力)
→稽古場にふらっと遊びに来てくれたのをきっかけに、今回資材をお借りしたり、「当日進行協力」とは名ばかり、本番の映像のオペレーションをして下さったりと、めちゃくちゃにお世話になりました。

丸田裕也さん(音響協力) 
→劇中で必要な音の素材はすべて丸田さんが可及的速やかに用意してくださいました。毎度平泳ぎ本店は結局たくさん音を使うのですが、今回もものすごく、ものすごく助かりましたありがとうございました!!!

***

昨年に続いて二度目となる神楽坂セッションハウスでの公演は、このようにいろいろな方のサポートと、相変わらず懐の広いセッションハウスのスタッフの皆様のおかげでやりたいことをすべて詰め込むことができました。

セッションハウスに立てるということで背筋の伸びる思いもあり、コンクリート打ちっぱなしの独特な、それでいて親密な空間で自分たちの作品を上演できることには毎回純粋なよろこびを感じます。

今回の公演を経たことで、劇団として新たにやりたいことや挑戦したいことも出来ました。

来年、2020年はオリンピックイヤーの裏で平泳ぎ本店としては現時点では劇場での公演予定こそありませんが、より長いスパンでカンパニーとしておもしろい創作を続けられるよう力を蓄え勉強をし、見聞を広めながら日々を過ごしたいと思います。

出演:小川哲也 河野竜平 宍倉直門 鈴木大倫 
   松永健資 松本一歩 丸山雄也

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平泳ぎ本店情報

■第4回公演『ボーク』(作:越寛生(劇)ヤリナゲ)
■第5回公演『この戯曲を演じる者に永遠の呪いあれ』
(作:武重守彦(めがね堂))
観劇三昧にて配信中!各作品三分間無料視聴もできます。
https://v2.kan-geki.com/streaming?keyword=%E5%B9%B3%E6%B3%B3%E3%81%8E%E6%9C%AC%E5%BA%97&check_title=0&check_company=2&check_cast=0&check_staff=0&check_outline=0

■第6回公演『SAKURAnoSONO』近日配信開始!!
DVDも販売開始予定(大変お待たせしています、編集に大変時間が掛かってしまいました…。その分めちゃくちゃに凝った編集になりました。)
https://www.quartet-online.net/ticket/hiraoyogihonten_dvd
■物販情報
平泳ぎ本店Tシャツ(黒×クロ) ¥2500
https://kan-geki.com/store/products/detail.php?product_id=1694

そして現在、それぞれはすでに次の現場に向かっています。
各俳優の今後の活躍にもご期待ください。

今後の活動

≪小川哲也 次回出演≫
『深奥と夢鬱』
脚本・一川華
演出・大館実佐子、酒井直之、太田陽
2019年8月16日(金)-17日(17)
@アトリエ第Q藝術
https://www.quartet-online.net/ticket/thewell?m=0dhbdbf

≪鈴木大倫 出演≫
ヒガンノジカン公演
『鯨ヶ丘の詩』
作・柳瀬昌計
2019年12月11日(水)〜12月15日(日)
阿佐ヶ谷・シアターシャイン

≪松本一歩≫
◇【舞台出演】
PAPALUWA 第11回公演『アルプス』
作・演出:鈴木美波
2019年8月28日(水)~9月1日(日)
@すみだパークスタジオ倉
http://ticket.corich.jp/apply/101077/28/

◇【制作協力】
清水宏『戯曲の真相』@若葉町WHARF
(横浜)

≪丸山雄也 次回出演≫
『吾輩は猫である』
原作・夏目漱石
演出・ノゾエ征爾
2019年10月19日(土)-29日(火)
@東京芸術劇場 劇場前広場
https://tokyo-festival.jp/2019/wagahaihanekodearu/
『会社の人事ー歌なき平成の世にー』
脚本・犬井 邦益
演出・佐藤 信
出演・龍 昇 塩野谷正幸 大西一郎
丸山雄也ほか
2020年1月12日(日)-20日(月)
@若葉町WHARF

公演回数を重ねてみるごとに痛感しますが容赦なく時間は経過するもので、いちどとして同じ公演はありません。

今回も無事に公演を終えられたことを心より感謝申し上げます。

今後とも、平泳ぎ本店をよろしくお願い申し上げます。

平泳ぎ本店 主宰
松本一歩

 
【平泳ぎ本店】
2015年より活動開始。主宰・松本一歩。
全員が主に俳優であり、劇作家を持たない。稽古場で生まれるアイディアを俳優自身が揉み、様々な演劇手法を節操なく駆使しつつ、凝ったシーンを造形していく創作方法に特徴がある。
「真剣に演劇について悩んで、真剣に演劇を愛する」
(クリス・グレゴリー氏)。
第8回せんがわ劇場演劇コンクールファイナリスト
2018年、第3回かもめ短編演劇祭にて戯曲選抜チームとしてかもめ賞(最優秀賞)含む三部門を受賞。
オリジナル作品での海外公演を当面の最大の目標とする。
〔Blog〕 http://hiraoyogihonten.com
〔Twitter〕 @hiraoyogihonten
TEL:090-4099-2941
Mail:hiraoyogihonten@gmail.com

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舞台写真あり『Theatrical Power-POP』開幕しました。

平泳ぎ本店
『Theatrical Power-POP』
(Dzoneフェスティバル2019参加作品)が8月3日、
神楽坂セッションハウスで開幕しました。
本作は構成を松本一歩、演出を平泳ぎ本店がディバイジング(集団創作)によって手掛け、
能の『松風』やゲーテの『ファウスト』、岸田國士の『風俗時評』『ぶらんこ』など18のシーンからなるコラージュ作品です。
残る公演は8月4日(日)13:00と17:00の二回、神楽坂セッションハウスにて。
当日券も両公演とも販売予定です。

photo by 北原美喜男

【主宰・松本一歩コメント】
劇作家をもたない俳優だけのカンパニーとしてディバイジングという戦い方を選んだのが間違いではなかったと思える、クレイジーな手ごたえを感じるカラフルな作品になりました。
岡田利規氏が今年の第63回岸田國士戯曲賞の選評で述べたような「〈普通の演劇〉への嗜好と〈普通じゃない演劇〉へのそれとのあいだにある溝」を、私たちなりのやり方で飛び越える作品です。
ぜひ、劇場で目撃してください。
【公演概要】
Dzoneフェスティバル2019参加作品
平泳ぎ本店
『Theatrical Power-POP』
構成:松本一歩
演出・出演:平泳ぎ本店
古今東西、古典から現代まで、演劇の宝物を一つの舞台に閉じ込める。
演劇の力ですべての人の”今”を言祝ぐ。
■公演日時
2019年
8月3日(土) 19:00 終演しました!
8月4日(日) 13:00/17:00
■神楽坂セッションハウス
〒162-0805 東京都新宿区矢来町(やらいちょう)158
https://session-house.net/map_access.html
■上演時間:6585分(当初65分から変更となりました。)
■料金:一般 3,000円 学生 1,000円
■ご予約
hiraoyogihonten@gmail.com までご連絡ください。

≪作品について 詳細≫

平泳ぎ本店は昨年、神楽坂セッションハウスにて『演劇的な、余りに演劇的な』という作品を発表しました。

「演劇とは何か?」という問いの下、様々なテクストをあらゆる演劇的な手法を用いてシーンに立ち上げコラージュしました。

今回の『Theatrical Power-POP』もその同系統の作品の2作目となります。
もともと『演劇的な、余りに演劇的な』というタイトルはもちろん芥川龍之介の『文芸的な、余りに文芸的な』を下敷きにしたもので、芥川ー谷崎両人が論じた「小説とは何か」という問いを演劇に読み換え、同時代や古典の様々な戯曲を引用しつつシーンを紡ぐそれは早稲田小劇場、鈴木忠志氏の『劇的なるものをめぐって』という作品へのオマージュでもありました。
(そしてまた、男性だけのカンパニーで、かつ神楽坂セッションハウスでそうした形式の作品を発表するにあたって、コンドルズもまた強く意識しました。)

私たち平泳ぎ本店という団体では劇作家、演出家を置かずに、俳優による集団創作(ディバイジング)を行っています。

その中で俳優の身体性、存在感、魅力を十全に発揮するためにはどうしたらよいかを考え、”コラージュ”という方法にたどり着きました。


様々な戯曲、小説からの引用、コラージュを行うことで舞台上の俳優は物語の筋から解放されて官能性を発揮し、各戯曲は元の文脈から解放/再構成されることで新たな魅力を獲得します。

そして一つの作品の内に様々な戯曲・小説からの言葉を並べることで、あたかも料亭の刺身の盛り合わせで北から南、西から東まで日本全国の美味い魚が並べられるように、あるいはウエブに張り巡らされたハイパーリンクのように、観客の方
一度の上演で実にさまざまな作品の片鱗に触れる機会を得ることが出来ます。

また昨今、第63回岸田國士戯曲賞の選評でも岡田利規氏が触れられていた「〈普通の演劇〉への嗜好と〈普通じゃない演劇〉へのそれとのあいだにある溝」ということについて、私自身も尋常ならざる問題意識を抱いています。

演劇人として最も肌で感じる社会の「分断」といえばこの”溝”に尽きると考えています。
そして私はその”溝”に橋を架けたいと考えています。

そのために節操なく様々な演劇的な手法を駆使し、観た人が「これは演劇ではない」「これが演劇だ」という物言いでははかれないような「得体のしれない何か」ともいうべき上演を実現するべく日夜稽古をしています。


そういう表現を世に問うことで、1人でも多くの人に演劇に対して新しい考え方を持ってもらえると考えています。

今回の作品のなかでも身体表現であったり、音楽を用いたり、あるいはコント、パフォーマンスに近い表現も取り入れながらも、何より言葉の芸術である演劇の俳優の力を発揮できるようにと考え、さまざまなテクストを集めました。

「夢」というモチーフをベースにしつつ、全体を通じて描きたいのは「友達」や「仲間」あるいは家族といった親しい人を想うという気持ちです。

いまこの瞬間にしかない舞台上の俳優の姿を、力強く描く作品です。

ぜひ、劇場でお確かめください。