About

平泳ぎ本店 Hiraoyogi Honten

2015年、主宰の松本一歩を中心に「『技術の泳法』と呼ばれる平泳ぎのように演劇における技術にこだわり、世界で戦い、かつ長く演劇界を泳ぎ続ける」べく設立。さらに詳しく
演劇表現の可能性を集団での創作を通じて問い直し続けることを目的とした、俳優主体のカンパニー。

稽古場では全員で言葉と理屈を徹底的に尽くした上で「理屈じゃないだろ!」「言葉にできない!」というおもしろさを目指す。
稽古場で生まれる様々なアイディアを俳優自身が揉み、新劇から現代口語まで様々な演劇方法を節操なく駆使しつつ、結果一人一人の想像を超えて凝ったシーンを造形していく創作方法に特徴がある。

「真剣に演劇について悩んで、真剣に演劇を愛する」(クリス・グレゴリー氏)演劇大好きカンパニー。

2018年、第3回かもめ短編演劇祭にて戯曲選抜チームとしてかもめ賞(最優秀賞)含む三部門を受賞。
オリジナル作品での海外公演を当面の最大の目標とする。

【なんで「平泳ぎ本店」?】
・競泳4種目の中で最もスピードが遅い(資本主義経済にもとる非効率的な営み≒演劇)
・水の抵抗を減らし、無駄を削ぎ落としていく「技術」の泳法である
・そして技術を極めれば形態的に不利な日本人でも北島康介選手の様に世界で戦える
・俳優として我々も技術にこだわりたい
・その気になれば航続距離がきわめて長い(演劇界を長く遠くまで泳ぎたい)
・地上で生活する人間がわざわざ水の中に入り「好きでやってる」感(≒演劇)
・紀伊國屋書店新宿「本店」並みの「大体揃う」ラインナップ(俳優、技芸、扱う作品等)

メンバー

2019年1月現在、

小川哲也 河野竜平 宍倉直門 鈴木大倫
ニノ戸新太 松永健資 松本一歩 丸山雄也

ら8名を中心に活動している。

歴史に残る優れた俳優を輩出するのがミッション

主宰 松本一歩 Kazuho Matsumoto

☆MEG_0306
1989年生まれ
大学で演劇(テクスト分析)を学び、その後3年間俳優として実地で演劇を学ぶ。
かねてから抱える「結局おもしろい演劇とは何か」「演劇の嘘とは」という問いを突き詰めるべく、2015年平泳ぎ本店を立ち上げ。
俳優、制作、制作助手、ドラマトゥルクも務める。
当面の目標は「場所を持つ」こと。
詳しいプロフィールはこちら

BLOG https://note.mu/1st_x_ep
Twitter @1st_x_ep

過去の活動実績

■2015年11月新宿THEATER POOにて第1回公演”The Dishwashers”(作:モーリス・パニッチ 訳:吉原豊司)を上演。
旗揚げ公演ながらクラウドファンディングによる30万円の資金調達にも成功し、8日間14ステージに渡る公演を行う。
登場人物4人というミニマルな戯曲ながらあえてダブルキャストで上演し、ストレートながら戯曲と俳優双方の可能性をアグレッシブに探る姿勢に対し「小劇場空間と新劇系の熱演というミスマッチ」「全然好みじゃないのに最後まで観られた」「同じ戯曲でありながら雰囲気がガラリと変わった好演」といった評価を受ける。

■翌2016年10月に第2回公演『えのえをなれゐて』を早稲田小劇場どらま館にて上演。
鈴木忠志氏『劇的なるものをめぐって』シリーズや、劇団中村座・金杉忠男氏『胸騒ぎの放課後』をモチーフとし、俳優たちが持ち寄ったイメージの断片から立ち上げた14のシーンからなる演劇アンソロジー。
特定の演出・作家を立てず、「今立ち上げたいシーン」を手がかりにして俳優だけでの創作に取り組んだ意欲作。

素材として現代口語やポスト現代口語の戯曲や劇作手法なども扱いつつ、様々なモード(意識の状態)での舞台上での発語の根拠を探り、表現の幅を格段に広げることに成功。
【アサクライコイ氏による第2回公演 言語化】(PDF)

■第3回公演は2017年8月4日~6日に『コインランドリー』(新作)を十色庵で上演。

同作で同年に行われた第8回せんがわ劇場演劇コンクールファイナリストとなる。
「楽しくパワフルで、観ていてとても好感の持てる舞台」(劇作家・篠原久美子氏)
俳優だけの集団創作という特色があり、既存の作品をこうした集団創作の手法で解体したものも今後観てみたい」(振付家・スズキ拓朗)

「俳優がやろうとしている表現、アイデアやポイントにとてもいい部分がある。演出家がいなくても俳優でどういう表現をしていくのか、俳優だからこそできることが、きっともっとあるはず。自分たちの出自たる新劇への批評精神がとても面白く、それによって広がっていく表現があると思うし、それができるはずなので、そうした表現の追求に期待」(振付家・劇作家・矢内原美邦氏)

との講評を受ける。

■第3回公演の後、2018年1月に第3回神奈川かもめ短編演劇祭へ戯曲選抜チームとして参加。武重守彦氏(めがね堂)の『机上の空論』を上演。
戯曲賞、観客賞、かもめ賞(最優秀賞)の三部門を受賞。

■第4回公演は2018年2月に気鋭の劇作家(劇)ヤリナゲ越寛生氏による書き下ろし作品『ボーク』を上演。

全編ほぼモノローグのみの戯曲を俳優達による自由な発想・演出で上演。
作家の越寛生氏より
「モノローグばっかりでしちめんどくさい台本を、さらにしちめんどくさい演出(褒めてる)を取り入れながら、見事に成立させている役者陣・スタッフ陣に感嘆しました。」
との評を得る。

■2018年6月神楽坂セッションハウス D-ZONEフェスティバル2018参加作品として『演劇的な、余りに演劇的な』を上演。

芥川龍之介―谷崎潤一郎の「余りに文芸的な」論争に範をとり、「なにが演劇的か」を、敢えてコンテンポラリーダンスの聖地神楽坂セッションハウスで問うた意欲作。
小説、古今東西の古典から現代の戯曲、テレビドラマなどからの引用による21のシーンからなる。

この作品の上演を通じて、「私たちが演劇を上演するのは、観に来てくれた人の生を言祝ぎ、人生を祝福するため」との感慨を強くする。

■第5回公演として、2018年10月新宿眼科画廊スペース地下にて『この戯曲を演じる者に永遠の呪いあれ』(武重守彦(めがね堂))を上演。

外部からの客演(越塚学(文学座))も招き、『机上の空論』でともに三冠を獲った武重氏に書き下ろしを依頼した新作。ストレートながらとにかく時間の許すかぎり細部まで作り込んだ上質な会話劇として高い評価を得る。

■劇場の外でも、かもめ短編演劇祭受賞記念公演として2018年5月には神奈川県庁大会議場にて『机上の空論』特別上演を、同11月には下北沢路上演劇祭2にて野外劇の上演を行うなど、劇場以外の場所での上演の経験も豊富である。

■参加メンバーによる稽古はもちろんのこと、外部からの講師(元・時間堂 黒澤世莉氏 Baobab 傳川光留氏)を招いたワークショップの主催や、戯曲研究会、作戦会議、小規模なリーディング公演、身体トレーニング等の活動を継続して行っている。

〔Blog〕 http://hiraoyogihonten.com
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