今回上演する作品についてです。
「あらすじを知っていても面白い!という上演にするから大丈夫。」と、強気かつおもむろにあらすじなどネタバレを含む内容となっておりますので、お気をつけください。
今回は平泳ぎ本店での上演にあたってタイトルを”The Dishwashers”としていますが、元はこちら。
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『洗い屋稼業 カナダ現代戯曲選』
モーリス・パニッチ著/吉原豊司訳
本体1,500円+税
彩流社
〒102-0071 東京都千代田区富士見2-2-2
TEL: 03-3234-5931 FAX: 03-3234-5932
http://www.sairyusha.co.jp/
お近くの書店または彩流社までご注文ください。
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こちらは当日、公演会場でも販売しております!
こちらが作者のモーリス・パニッチさん。劇作家・演出家・俳優です。
ちなみに翻訳者の吉原さんはモーリス・パニッチさんが大学生の頃からのお付き合いだそうです。
この”The Dishwashers”は割にオーソドックスな会話劇ですが、パニッチ氏の他の作品はほとんどが荒唐無稽で、ある意味ブラックで意地悪な作品が多いそうです。
というのはカナダの演劇といっても英語圏ではシェイクスピア以来のイギリス演劇の影響を色濃く受け継いでおり、パニッチ氏はそのガチガチの伝統や演劇に対する固定観念をぶち壊すべく型破りな作品を次々発表していた、ということだそうです。
“The Dishwashers”のカナダでの初演は2005年2月、バンクーバーのArts ClubTheatreのGranville Island Stage
にて。
でかいですよね。キャパは440席と、日本で言うと紀伊國屋ホール位でしょうか。(ちなみにシアタープーは50席を予定しています。)
単行本に載っている初演時の写真と、ネットで拾った舞台イメージです。
登場人物とあらすじ(僅かにネタバレ含みますので注意してください。
・ドレッスラー
五十歳前後、中間管理職気取りの皿洗い
・エメット
三十歳前後、新入りの皿洗い
・モス
六十五歳前後、古参の皿洗い
・バローズ
十八歳前後、エメットの後釜
あらすじというか頭からざっと起こることを並べると、
・エメットがやってくる
・雑談
・「お前は皿洗いを負け組の仕事だと思ってる。だが、それは間違いだ。」分かりあえないエメットとドレッスラー
・「連中の馬鹿さ加減にはヘドが出ますね。」憤るエメット。
・「この仕事には将来がない。将来がまったくない。クソみたいな仕事です。」引き続き言いたい放題のエメット。
・「この仕事が好きだ。これがいい仕事だからじゃない。これが俺の仕事だからだ。」ドレッスラー仕事の流儀。
・選挙、造反。
・そして「彼」が死ぬ。
・「皿ばかり見つめてないで、人並みに自分の将来を見つめてみたいんです。」エメットの不安と焦躁は頂点に達する。
・最後まで分かりあえないふたり。
・陽はまた昇り繰り返す。思いがけない再訪。そして牙を剥く最強の武器。
といった感じです。
書いてみて見るとこれはこれでなんのこっちゃという感じですね。。
はい。
たとえば、この作品をカナダでの初演と同じくキャパ440席のArts ClubTheatreのGranville Island Stageで上演するのであれば、ある程度”ストレートに”やってもいいのかもしれません。
しかしそれを50席の小さな劇場で、若者だけで上演するとなれば、やはりそれなりの戦略が必要になってきます。
その戦略というのを考えたり遂行する上で必要になるのが俳優、演出家の「技術」なのかなぁと、思っています。
そしてなによりこの作品を新宿のど真ん中で上演することの意味を、少しずつ考え始めております。
ご期待下さい。
松本
平泳ぎ本店 第1回公演
“The Dishwashers”
予約受付中です。
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クラウドファンディングにも、挑戦中です。ぜひご一読ください。
https://motion-gallery.net/projects/hiraoyogihonten-1st