僕が言いたいのは「永年」。

どうも。

平泳ぎ本店の主宰の松本です。

主宰というのがそもそも得体がしれないので、「俳優か演出か劇作か制作か研究かドラマトゥルクか批評か、あなたは何が一番やりたいのか」と聞かれることがままあるのですが、なんなんですかね、結局必要ならばどれでも喜んでやりますし、自分の作りたい作品を作るために平泳ぎ本店の主宰を名乗り始めたというのが一応それらしい答えです。

演劇のどの領域の抱える課題も、結局その本質に近い所では地続きになっているんじゃないかと睨んでいます。

究極「自分の思うおもしろい演劇の作品を作り続けたい」「それで生活していきたい(食っていきたい)」というのが、今一番大きな目標です。

「役者なら演技のことだけ考えていればいい」と、これもたまに言われることですが、現実問題そうした恵まれた環境に僕はいないので、自分の望む環境は自分で用意したいと思っています。

演劇がやりたいというのは本心なので。

え?

はい。

ということで「延々」と「永遠」と「永年」、音も近くて意味も似たような言葉、日本語とはかくもややこしく面白い言語であります。

さて、平泳ぎ本店では先の公演でクラウドファンディングのリターンとして、高額の応援をしていただいた方に向けて「永年パス」というものを用意しました。

この先どんな会場でどんな公演をしようとも、平泳ぎ本店がある限りそれらの公演を無料で何回でもご観劇頂けるというパスです。

仮に平泳ぎ本店が本多劇場やなんかの大きな劇場で6~7000円の公演をバカバカ行うことになったとしても、もちろんずっと無料です。

「やりすぎ(大盤振る舞い的な意味で)」という声はもちろんのこと、「本当に永年なのか」という疑問の声もお聞きしました。

繰り返しますが、勿論本当に永年です。

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こちらが実際に作った永年パスです。作っといて言うのもなんですか、なかなかどうして、プラスチックのしっかりした手触りの凝った作りになっております。

ちなみに宣伝美術をお願いした荒船さんが作ってくださいました。ありがとうごさいます!

そもそも「永年パス」などという物を用意してみたとしても、それをゲットしてくれる人がいるのかというのが一番大きな疑問だったわけですが、幸いにも今回5名の方がこれをお求めくださいました。

僕が言いたいのは「永遠」。

永年と言いつつ、あたかもダルビッシュのように、僕が言いたいのは「永遠」だったりします。

何を言ってんだと思われるかもしれませんが、「永年パス」の一番の不安要素は「そもそも平泳ぎ本店自体が解散したらおしまいではないか」という「永年」の部分に対する疑念です。

お金を貰うだけ貰っておいて、次の公演を行わない、行えない、それで自然消滅してバックレてうやむやにしまえばごくソフトな詐欺にすらなります。

「永年」や「永遠」を騙った詐欺というと少し詩的な気もします。

どっこい、主宰松本、約束は守るタイプです。

それだけか?というと、まあそれだけなのですが、僕個人に関して「自分が演劇を続けること」への確信が揺らいだことはありません。

と書くと青臭いったらありませんが、それに「平泳ぎ本店」はあくまで「本店」なので、いわゆる劇団に比べると存続の可能性が高いとも言えます。

ちなみに一般企業だと起業してからの生存確率は5年で10%、10年で3%と言われるそうです。

演劇と企業は間違いなく違いますけれども、少なくとも、一応平泳ぎ本店は初めから「10年で3%」の側を想定しつつ蹴り出した訳でした。

もっと言えば長嶋茂雄さんの「我が読売巨人軍は永久に不滅です」みたいなことになればいいなとも思います。

とある大学の校歌に「集まり散じて人は変われど、理想と共に大学はここにずっとある」という感じの歌詞があります。

平泳ぎ本店もそうしてずっとあればいいと思います。

そのための永年パスであります。

お金にしたら数万円ですが、永年パスを通じて「おう、いいぞ、平泳ぎ本店永年やれ」と言っていただいたその心意気はプライスレスです。お金で買えるものではありません。

冗談みたいな話ですが、平泳ぎ本店にはそれが5名もいらっしゃいます。

だとすればその後の我々の公演がマックのスマイルよろしく0円だとしても、それほど問題はありません。

ええ。

プライスレスと言いつつ、自分のやりたいことをしみじみ考えつつ、今年中にやりたいと思っている第2回公演の劇場費に思いを馳せつつ、そんなことを考えていました。

松本

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