どうも。平泳ぎ本店です。
“The Dishwashers”の元というか原作である彩流社刊行の『洗い屋稼業』の翻訳者である吉原豊司さんの
書いてくださったブログ記事(こちらからどうぞ。)を読んで、とても嬉しかったのと同時に「平泳ぎ本店」という名前だけで場合によっては人の琴線というか癇に障るのだということを、そこはかとなく再認識しました。
平泳ぎ本店です。
もちろん「どうして『平泳ぎ』『本店』か?」ということを、話せば分かって頂けるのですが、なにせ長いのです。(初回ブログ参照。 当初は何故か「だ」「である」調です。)
改めて理由を列挙すると、
・競泳4種目の中で最もスピードが遅い(資本主義経済にもとる非効率的な営み)
・水の抵抗を減らし、無駄を削ぎ落としていく「技術」の泳法である
・その気になれば航続距離がきわめて長い
・地上で生活する人間がわざわざ水の中に入り「好きでやってる」感
・紀伊國屋書店新宿「本店」並みの「大体揃う」ラインナップ(俳優、技芸、扱う作品等)
といった理由で「平泳ぎ」で「本店」といった所です。
それなりにというかトゥーマッチなほどに意味はあるのですが、一見ふざけたイロモノっぽく見えるのは否めません。
しかしあくまで平泳ぎ本店でいきます。
「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」とかに比べればきっと可愛いと思います。まだ。
はい。
といったところでこちらの写真をどうぞ。
俳優の福留のTwitterから拾ってきた休憩中の河野の画像です。
膨大な量の台詞から逃避すべく、劇場の床に寝そべって携帯ゲーム(しかもソリティア)に耽っている様子です。
これは末期症状に近いです。
今回は会話劇な上にしかもダブルキャストなので、一人一人の覚える台詞の量が膨大です。
「台詞と格闘の毎日です」と書くと、なんだか演劇っぽいですよね!
河野に関しては平泳ぎ本店の直前まで別件の舞台に出演し、現在も平行して別の仕事を抱えてたりするらしいのでほとんどパンク寸前です。
他の俳優にしても、台詞にはとかく苦労しています。
そんな彼らを見つつ、自分がこの夏に出演した舞台のことを思います。
大きな舞台でしたがアンサンブルの一人としてで台詞はなく、出番もごく限られた役での出演でした。
「悔しい」だとかそういうことが言いたいわけではありませんし、それはそれでとてもいい経験にはなった訳ですが、若い一俳優として何も思わない訳がありません。
もっとやれるのに!と。
そんな訳で少なくともこの平泳ぎ本店では若い俳優に限界まで思う存分芝居をしてもらいたい、裏を返せば俳優に大きな負荷をかけてみたいというのが一つの大きなコンセプトになり、配役の際にもかなり強硬にダブルキャストを推しました。
なので彼らが「台詞が覚えられない」「稽古時間が足りない」とひいひい言っているのを観るのは狙い通りであり、羨ましくもあり、とても愉快だったりします。
今でもよく覚えてるのが養成所の発表会の稽古で言われた「こんないい役、外へ行ったら貰えないんだからね」という言葉です。
実にその通りだと思います。主役や準主役、台詞が沢山ある役なんてそう簡単に回ってきません。
どっこい、分相応の役を待つだけが俳優の仕事だとも思いません。
「若いんだから無理をしろ」というのは養成所へ入るときに言われた言葉なのですが、俳優達には覚えられないほどの量の台詞を抱えられるやりがいを感じつつ、自分のキャパを超えるくらい演技に没頭してほしい、なんて思います。
あと、11月27日(金)19:30Bの公演終了後にはポストトーク(鵜山仁さん)の開催も決定しました。
そんなこんなで、稽古はあと17日です。
今日もニヤニヤしながら稽古を見つめます。
平泳ぎ本店 第1回公演
“The Dishwashers”
予約受付中です。
http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=649e6311d3
クラウドファンディングも、経過順調です。残り8日となりました!ぜひご一読ください。
https://motion-gallery.net/projects/hiraoyogihonten-1st
松本