ドラマトゥルクかく企めり

ドラマトゥルクとはなんぞや?という周りからの問いを「ググれ」と一蹴しつづけております。

(過去の記事「壁打ちの壁」を参照ください。

別名義で使ってるnodding lettuce Co.というのに特に深い意味はありません。「主宰・松本」「ドラマトゥルク・松本」「制作・松本」となるとうざったいので、そこはかとなく濁したかったという所です。
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さて、そんなドラマトゥルクが何をしてるのかというと、今回の上演にあたってとにかくあぁでもないこうでもないとやいやい言い続けております。

たとえば今回の公演の全体としての企みといったことに関して。

上演に際して、演劇にはいろんな要素があります。俳優、演出、戯曲、翻訳、劇場、小道具、照明、音響、舞台美術、衣装、効果、etc…。

それぞれの要素を鑑みて、何をどういう方向で、どんなベクトルで走らせたら面白いだろうか、効果的だろうかみたいなことを誰に頼まれるでもなく考えます。

具体的に言うと、今回の会場となるシアタープーはプロセニアムアーチ付きのいわゆる正規の、大多数の人が想像するような劇場ではないので、そこで作品をどう上演したらいいだろうかと考えます。

たとえばシアターコクーンや東京芸術劇場や新国立劇場やパルコ劇場であるとか、要は舞台と客席が明確に分かれている劇場でやるような「いわゆるお芝居」をやろうとすると、別に出来なくはありませんが、ただでさえ客席が圧倒的に少ないので「ただスケールが小さくなっただけ」ということにもなりかねません。悪く言えばショーパブの舞台というか。

そうなると、わざわざシアタープーで40日も稽古をしてやる意味というのがあまりなくなってしまう。それはつまらない。どうせだったら、シアタープーという場所の特徴、公演にかかるあらゆる制約を逆手にとって、ここでしか出来ない事をやってみたい。

そんな事を考えて、ああしたら面白くない?こうしたらどう?と俳優や演出やスタッフさんに伝える。

あるいは、「俳優と演出は新劇出身だからある程度ストレートな芝居を作ることは出来るだろう。だったら、そのストレートな芝居をむしろ相対化するようなアクセント、フックとなるような道具や効果や言葉があったら面白かろう」と考えてテキストレジをしたり、俳優や演出やスタッフさん達を「いいぞ、もっとやれ!」と煽ったりする。

「平泳ぎ本店のドラマトゥルクは、作品の攻め気と心得よ」みたいなことを初日には言ったりもしました。我ながら何言ってんだとも思いますが。

あんまり僕が煽るので、さながら僕ことドラマトゥルクがアクセル、演出がブレーキみたいな事になっていますが、このせめぎ合いが確実に作品をよくするのだと、ドラマトゥルクとしては言い切ってしまわなければなりません。車にはどっちも必要ですよね。

ちなみに僕に「ドラマトゥルクなぞ名乗ってみませんか?」と持ちかけてくれたのは演出の藤代でした。

なので「オファーしたのはそっちだからな」とばかりに、好き勝手アクセルを踏み倒している次第です。

本番直前に演出とドラマトゥルクが泣きながら殴り合いというのもまた一興といったところでしょうか。

果たしてこれがドラマトゥルクとして正解なのかどうなのかよく分かりませんが、とにもかくにももっと面白くなればいいや、と、思っております次第です。

松本(nodding lettuce Co.)

平泳ぎ本店 第1回公演
“The Dishwashers”
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